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Visit Report;24 Domaine Léon Boesch

「最高の品質とは、まず惜しみない投資をされた栽培・醸造によって達成する」Gérard Boesch

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「Zinnkoepfléは急斜面な上に、粘土質に砂岩の混じった石灰(Muschelkalk)が混じり、とても重たい土壌だ。粘土が水分をキープし、砂岩と石灰が熱分を溜め込み、熟度は申し分ない。とてもボリューム感のある、強靭なキャラクターを持ったワインが生まれる。Gewurztraminerに適した畑だね」
Soultzmatt村の誇る特級畑Zinnkoepflé。
「太陽の当る場所」という名に相応しい、急斜面の地質で、マールの保水性に加え、石灰の保熱性質が加わった、北の「Côte-Rotîe」とも呼べる場所
高い品質を誇る造り手がこの畑の所有者に多いことも、その価値を理解するのに難くない

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ZinnkoepfléからSoultzmatt村を眺める。かなり急な斜面だ

この畑を所有する一人、Gérard Boesch氏は、Westhalten村の醸造家であり、AlsaceのINAOの職員でもある
ビオディナミを1998年より実践し、より自然なワイン造りを目指す彼は、まず、ワイン愛好家である
テロワールの理解と、ワインに対する情熱は、畑を前にすると、止まらない言葉となって表現される

ー 栽培

1ha当りの植樹密植は6000本
「密植度を上げれば上げるほど良いとは限らない。樹と樹の感覚が狭すぎると、風通しが悪くなり、腐敗度が増す


剪定法はGuyot Doubleで、樹の高さはかなり低めである
畑によっては、Bourgogneの樹の高さに近くなる
「樹を小さめにすることは、葡萄の凝縮度に影響する。Bas-Rhinでは高めだが、Haut-Rhinの造り手は樹が低めのことが多いんだ」
さらに、長哨についている芽の数は各自7-8程度と他の造り手よりも少ない(他の造り手の平均は9-11芽くらい)

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耕作は、毎年、列の半分だけ行う
「草は抜き取るだけでなく、土の中に入れてやることで、余計な水分を吸収する役割を果たしてくれる」
耕作機が入らない程の急斜面では、小型のマシーンをワイヤーに吊るして行う


ー 醸造

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実際、新しいカーヴを造っている最中なのだが、これほど、ユニークで、品のあるアーティスティックなカーヴも見たことがない
壁に藁を敷き詰めて、自然な温度を保つつもりだと言う
「新しいカーヴは、より自然な素材を使って造るつもりだ」
今はまだ未完成で、醸造作業もままならない段階ではあるが、来年には、訪問者の目を楽しませる、素晴らしいカーヴが完成するであろう

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ステンレスタンクよりも大樽が多い
小樽はPinot Noir用で、François FrèreとGilletのものを使用

アルコール発酵は早めに終わらせたいようだが長く続くときもある(約1-6ヶ月)
MLFが起こる時も稀にあるが、それは余り望まない
ただし、スパークリングワインにはMLFを行う

特に糖度の高い'09年においてはアルコール発酵を続けるために、キューヴを移し替えて、高いアルコールに耐えられる酵母を活性化させる作業を行った
そこで14.5-15%という信じられないくらい高いアルコールを持ったワインを生み出した
勿論味わいはドライである

スパークリング・ワインはMéthod Champenoise
自社のジロパレットによって同瓶作業を行う

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自家製有機コンポストを造るための装置

SO2の使用は勿論少なく、瓶詰めのみに行う
酸化防止の為に、ガスを多く残すエレヴァージュ・スタイル
さらにフィルター処理も行う
「白ワインにおいて、フィルター処理は必要不可欠なものだ」

瓶詰めは翌年の収穫直前に行う

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一 試飲
1月28日 Domaineの試飲室にてすべてボトル詰めされたものからの試飲。ものによっては一ヶ月近く前に空けた瓶もあるが、アロマ的にほとんど問題は見られなかった。ビオロジック農法の為せる所以である。
【表記順は、品種、畑名(ないものもある)、アルコール度、残糖度、ヴィンテージ、値段、とした。VTはVendanges Tardivesの略】

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Pinot Noirは勿論、小樽熟成

Pinot Noir 12% 0.1g/l(s.) '08: 赤果実。しかし完熟した印象はなく、すこし青い。スパイシー。軽やかな酸味のあるワイン。

Pinot Noir Luss 14% 0.1g/l(s.) '09: 赤果実のデリケートな香り。ソフトな口当たり。Orschwihr側の畑で、Loessが多い土壌。新樽1/3。「黄土(Loess)はとても表土が浅く、軽い土なんだ。だから女性的なワインが生まれるんだ」

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Riesling 13% 5g/l(s.) '09: レモンの果実に、トロピカルなパパイヤ、パイナップル様の香り。高いアルコールが、葡萄の完熟を示している。脂肪が強く、粘土質が強そう。Rouffach村側の畑。

Riesling Luss 13.5% 8.5g/l(s.) '09: レモン、花、優しい香り。アルコールは強いがより繊細。Soultzmatt村の畑。

Riesling Breitenberg12.5% 2.2g/l(s.) '08; 石油香が強く、上品な香り。フレッシュ感がとても強く感じ、この素晴らしい酸がとても長く残る。余韻はまさに特級並! BourgogneのThomas Moreyに通じるスタイル。

Riesling Breitenberg 13.5% 18g/l(s.) '09; パパイヤ様のエキゾチックな果実。強く張りつめたミネラル。強さの中にしっかりとした酸は残る。高い標高の冷涼さは、暑い年にも
フレッシュ感をキープするということを理解できた。

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Breitenbergは特級Zinnloepfléの裏の山の、標高の高い部分に位置する

Riesling Zinnkoepflé 13.5% 6g/l(s.) '09: ヴァニラ、クンババ(エキゾチック・レモン)の香り。強い強い濃縮感が、ワインを別の次元へと導くかのようだ

Pinot Gris 15% 8.2g/l(s.) '09: 非常に濃く、甘い。砂岩の土壌。
「砂岩は砂と岩で出来たとても脆い石だ。砂岩の中には植物の化石が見つかる時もあるよ」

Pinot Gris Clos Zwingel 15% 1.5g/l(s.) '09; スパイシー、グリル香。時間とともにカリンのニュアンス。煮たような果実。先のPinot Grisよりも糖度がない(収穫日は同じ)。

Pinot Gris Breitenberg 13% 70g/l(s.) '09: カリン、パイナップル。とてもリッチな味わい。甘口ワインでネットリとした甘さ。「発酵を続けさせることができなかった」そう。

Pinot Gris Zinnkoepflé 15% 38g/l(s.) '09;とてもスパイシー。ヴァニラ香が、樽がなくても感じさせられる。神経質な酸で、今はとても飲めない。とてもリッチ。「(Corseの)Vermentino品種みたいだろ?」と彼は言うが、思わず納得。

Pinot Gris Zinnkoepflé 15% '06; 貴腐の香りがぱあッと香る。蜂蜜、柑橘類のコンフィ。味わいはとてもバランスよくまとまっている。

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Gewürztraminer 14% 29g/l(s.) '09: とてもスパイシー。マンゴー、蜂蜜の香り。

Gewürztraminer Breitenberg 15% 20g/l(s.) '09; フローラルで、バラ様の香り。レイシ(中華ライチ)の優しい香り、そして柑橘類の皮の香りが続く。スパイシーな味わいを「これはタンニンと呼べるもの」と彼は表現する。長い味わいの中に不思議なフレッシュ感がある。

Gewürztraminer Zinnkoepflé 14.5% 36g/l(s.) '09: 複雑な香り。スパイス、グレープフルーツの皮。口の中にアロマが長く続く。

Gewürztraminer Zinnkoepflé VT 12.5% 93g/l(s.) '07: 柑橘の皮。焼け付くようなアロマ。

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「Muschelkalk(貝殻石灰)」と呼ばれる特殊な石。GrésとCalcaireの混じり合ったものだというが


あくまでも辛口にこだわり、アルコール感を高めた2009年のスタイルは筆者の好みではない
Pierre Gassmannの言っていたように、よりテロワールが求めるワインを造るためには、糖度を残すべきであったようにも思う
アルコールが高く、信じられないようなアロマがグラスに出て、スパイシーさが強調された結果になった
しかし、筆者個人の好みは脇においても、この造り手の品質の高さ、意識の高さは否定することは出来ない
まず、テロワールごとに顕われるワインの味わいの差は見事であり、品種からくる第一アロマよりも第二アロマ、(潜在的)ブーケの強さが素晴らしい
亜硫酸無添加による醸造スタイルがそこに見いだせる
さらに、Breitenbergに見られる、フレッシュ感と長い余韻は、この造り手の畑仕事の精密さを如実に顕している
Riesling Breitenberg'08は、素晴らしい伸びをもった、久しぶりに魂をゆさぶられた一本であった

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[ 2011/01/30 22:33 ] VR(Visit Report) | TB(0) | CM(0)

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