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Bourgogne 2011年の畑の観察報告

5月、「水不足」。 そして、8月、「もうこれ以上、雨が降らないように祈っています」。

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Bourgogneを離れて早、9ヶ月。
2年と3ヶ月の間過ごした、かの地で経験したことはこの身に強く刻みこまれている
造り手との交流、葡萄畑を歩き回った記憶、雨の中での畑仕事の日々...
葡萄が実り、ワインへと昇華される、その行程を最初から最後まで見続けてきた体験は、私の心にずっと残っている
そんな過去を思い出しつつ、今、現在、この地で起こっていることを再確認したく思った
Bourgogneの2011年に何が起こり、そしてどんなヴィンテージになるのだろうかという発見の為に
8月16日から18日にかけて、畑をつぶさに観察したリポートを届ける



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Gevrey-Chambertin Premier Cru Clos d'Issart。Pinot Noirでも収量の多い実である。

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Gevrey-Chambertin Premier Cru Clos des Ruchottes。バランスのとれた葡萄の実。とても美味しい。

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      Chambertin。

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Morey-Saint-Denis Premier Cru Clos de la Bussière。除葉作業による腐敗予防をしている。病気は少ないが鉄分が不足ぎみ。

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Chambolle-Musigny Premier Cru Les Amoureuses。ぎっしりと詰まった実。

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今回、Pinot Noirの多くの畑で見られたのが、この鉄分不足に伴う早い紅葉化。初春の強い日差しが、葡萄の成長を加速しすぎた顕われなのだろうか。

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一瞬の油断。7月までずっとベト病の兆候はなかったの対し、8月の雨で一斉に吹き出した。ほとんどの造り手は夏休みのために防除できなかった。しかし、樹の上部が腐敗したのみでそれほど対した被害ではない。再度ロニャージュしてベト病のついた葉を除く造り手がチラホラ見られた。

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      Richebourg、今年にDRCがSur-Greffageして、植え替えたパーセル。

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Romanée-Conti。La Tâcheよりも少し甘い印象を受けた。今の所、去年より腐敗が少ないようだが。

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La Tâche。長い間、放置されていたパーセルにとうとう植樹したようだ。

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Nuits-Saint-Georges側のAOC Bourgogneのパーセル。去年の霜で収穫が激減した場所。ソーヌ断層が走る畑の大半の樹が枯れ、そのほとんどは去年の暮れ・今年の春になって植え替えられた。

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Nuits-Saint-Georges。Prémeaux側の畑。小ぶりの実が多く、葡萄も甘い。

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今年は、太陽の強すぎる日差しを受けて、急速に干し葡萄と化した実を非常に多く目につく。暑い春の影響である。

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Nuits-Saint-Georges Premier Cru Clos des Corvées。腐敗の多いパーセル。勿論、ビオディナミの造り手は、腐敗が多いが、去年より多い気がした。

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Volnay Premier Cru Santenots。樹勢が弱い畑。

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      Meursault Tessons Clos des Mon Plaisirs。ぎっしりと詰まった実。酸が強い。

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Meursault Premier Cru Perrières、ミルランダージュの多さは今年は平均的。去年ほど多くもないが、少なくもないといった恰好。造り手によってまばらな気がした。というのは、今年は早い開花だったのと、結実の期間が短かったことが理由であるようだ。2010年は2週間~3週間かかった結実が、5日~1週間で終わったことがその差異を生んでいる。


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Puligny-Montrachet Premier Cru Combottes、やや水ぶくれ気味なのは、ここ数日間に大量の雨を吸ったため。この造り手は収穫が早めなので、収穫の前後の天候が、非常に鍵になりそうである。病気は全くなく、健康そのものである。

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      Puligny-Montrachet Premier Cru Clos de la Mouchère。

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Chevalier-Montrachet, Domaine d'Auvenay。今年のLeroyの畑は、収穫量がとても多い。白も赤も他の造り手並の量の実を観察できる。

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Montrachet。小ぶりの実が多く、ミルランダージュも多め。多分、ウィルス性のものによると考えられる...。少しだけ雹の被害もみられる。

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Saint-Aubin,Premier Cru En Remilly。丘の下の畑に比べ、実が締まって、小ぶりである。これは斜面上部の畑の排水性の高さに起因する。

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Chassagne-Montrachet村。すこし雹の害を見受けられるものの、概ね綺麗な状態である。

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Chassagne-Montrachet Premier Cru Caillerets。

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破裂した葡萄の実。恐らく、雹による傷が原因と思われる。また水分過剰のために水ぶくれして破裂した実もあると聞く。

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Chassagne-Montrachet Premier Cru Caillerets。鉄分不足のクロロースが多く発生した年である。クロロースになりやすい造り手はだいたい決まっている。これは石灰の多い場所に適した台木が使われていないためであると考えられる。

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      ウドンコ病も発見。今年は稀な方。

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Chassagne-Montrachet Premier Cru La Romanée。動物の害を防ぐためにネットを被せている。

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Chassagne-Montrachet Premier Cru Les Cardeuses。去年は壊滅的な雹害を受けたが、今年は(今の所)、問題のない様子。ただ、成熟に遅れが見られて、色付きがまだ終わっていない実を多く発見した。

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Santenay Premier Cru Grands Clos Rousseau。素晴らしい状態。今年の収穫はよくなりそうだ。

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Bouzeron。大粒の雹の塊が葉を貫いて、実に傷をつけた様子が見て取れる。この村は今年、雹の被害を多く受けた。傷付けられた葡萄の実は腐敗が始まり、収穫量が激減してしまった。

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Rully Premier Cru Grésigny。最も深刻で、壊滅的な雹の害を受けた。Rullyを中心に覆った雹害は、一級畑のある丘のゾーンに集中している。しかし、村の中心の小高い丘の上の城から東の畑の損害は少なく、一級畑でも南東側のMeix-Cadotの当りは被害が少なそうである。


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      Mercurey,Premier Cru Champs-Martin。雹の害は全く見られず、素晴らしい畑の状態。



この記事を書いている8月27日の時点で、Bourgogneではすでに収穫が開始されている
25日にCrémantが、26日にはPuligny-Montrachetの収穫がスタートしたというから相当な早さだ。
勿論、4月の早い開花から、収穫が早くなることは十分に予測されてはいたが、夏の涼しい天候が、収穫期を遅らせた。
2007年よりも少し早めの収穫で、2003年に次ぐ8月の収穫となった。

1-3月 暑い冬。雨もほとんど降らなかったようだ。
4月 相変わらず暖かい天候でのDébourrement(発芽)。
5月 速やかなFloraison(開花)とNouaison(結実)。暖かかったが、少しだけ結実期に雨があったようで、適度なミルランダージュが起こる。
6-7月前半 乾燥した春、初夏。Grillure(干し葡萄化)の発生。少しながらOidium(ウドンコ病)が発生したが、防除は概ね成功。
7月後半-8月 雨が集中的に降った。Côte de Beaune南部から、Chalonnaise北部にかけて、雹が降り、BouzeronとRullyは酷い被害を受けた模様。Mildiou(ベト病)がBourgogne中に大量発生したが、損害は少ない。

収穫直前の雨。
腐敗する前に、如何に沢山の実を集められるのか、ということに焦点が絞られているようだ。

Bourgogneの生産者の健闘を祈りたい。

P.S.: 今回の取材にあたって、同行していただいた栗山朋子さんに、お礼を申し上げます。畑における正確な観察と、的確なるアドヴァイスをしていただきました。Bourgogneで、良い収穫ができることを祈っています。




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[ 2011/08/27 22:43 ] ミレジム | TB(0) | CM(3)

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[ 2011/09/10 19:05 ] [ 編集 ]

こんにちは!

こんにちは、大橋様、はじめまして!

ブログを見ていただいて、ありがとうございます!
大変、恐縮です

あとお話になっておられる方のワインに対する態度、立ち振る舞いに対して感動を覚えました
留学の為の資金をすべて被災者におくられたそうで、大変、頭が下がる思いです

まず最初に言いたいことは、僕自身、ソムリエの資格を持っていません
ただ、フランスに来て、レストランに仕事を始めて、そのまま今の身分に至っています
フランスでは、「ソムリエ」の資格とは、自分の経験を証明するものであって、「なくてはならないもの」ではありません
日本では残念ながら、資格をもっていないだけで全く認められないという風潮にあるようですが...
だから僕は、日本のソムリエ・コンクールなどに出る権利はありません(残念ですが)

ただ思う事は、資格はなくとも、ワインの勉強は出来るという事です
僕は、ワインと土壌の関連性に強い興味を持っていることもあり、色々と書籍を集めたりしてきました
しかし、間違いなくこの二つは関連しているにも関わらず、その手のことを扱った本はあまりありません
つまり、まだ研究は十分進んでいない分野なのです
そういう土壌とワインの関連性について、評論家、ソムリエ、カヴィスト、さらに醸造家ですら、その関連性を正しく説明できる人は稀と言えるでしょう
僕は、それを学ぶためには、現地に行くしかないという結論に達しました
たとえ現地にいて、畑を廻っていても決して、解けないことが多いのですが...

彼がフランスに留学したいと考えているのであれば、それはとても正しいことであると思います
こちらには、日本では学べないことが沢山あるからです
僕自身、けっして経済的に安定しているとはいえません
24歳で渡仏して以来、安定したことは全くないと言えるでしょう
でも、経済的に豊かではない状態が続いていますが、精神的な面において安定し続けています
なぜならば、自分のやりたいことをして、周りに左右されずに、その道だけをまっすぐ歩いていると実感しているからです

アルバイトでも良いと思うんです、もしも、自分のやりたいことの為の回り道であると理解されているならば。

少し、突飛かもしれませんが、もしかしたら、どうしても日本にいなければならないのであれば、日本のワイナリーで仕事をされるとよいのかもしれませんね
もしくは、ワインライターの仕事とか
自分の思いを綴った願書を書けば、どこかで仕事先はあるかもしれません
堅苦しい「ソムリエ」という職業にこだわる必要性はまったくないと感じます
特に、「土壌」・「テロワール」を勉強したいのであれば、現場に行く方がより多くのことを学べます
最近、思うのですが、これらのことを勉強したいのであれば、学校の「地質学」や「化学」を学んだり、「農業」を学んだほうが、より多くのことを学べると考えています
何も、ワインそのものにこだわる必要性はないということです

そういったことを日本で学び、その後でフランスに来るということも一つの選択肢なのではないでしょうか?


すみません色々と書き綴りましたが、何か参考になることがあれば幸いです
また何か質問などありましたら、連絡を下さい
また、渡仏にあたって、何かお手伝いできることがあればいくらでも相談にのります

最後に東京のバーで仕事をしている友人の店を紹介しておきます
もしも何か刺激になることがあれば幸いです
かがり火 新宿区市谷柳町1 牛込柳町駅 03-3266-0877
店長の延命さんは僕の友人ですので、僕の名前を出せばサーヴィスしてくれると思います

それでは

染谷文平

[ 2011/09/10 22:31 ] [ 編集 ]

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[ 2011/09/12 22:10 ] [ 編集 ]

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