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Visit Report;29 Domaine Meyer-Fonné

「マロラクティック発酵が起こらないように望んでいる」Félix Meyer

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       Félix Meyerとその家族、子供は三人

今年のAlsaceは暑い。
Alsaceどころか、France中暑くて、日焼けしそうだ
実際、Franceでは深刻な水不足に直面している
こんな暑い気候の下では、人は酸味のあるものを求めるようになる

ところで、ワインの中には六種類の酸味が存在する
酒石酸、乳酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、そしてリンゴ酸。

こんな暑い時に欲しくなるのは、リンゴ酸のスッキリとした味わいである
レモンのジュースをそのまま飲み込んだような、ミントを食したときのような爽快感。
喉を突き抜け、胃にまで達した後、脳天まで駆け上がってくるような、爽やかな味わい。

基本的にAlsaceワインは、リンゴ酸がとても豊富である
しかし、今日の新しいスタイルの造りでは爽快感よりも、濃密感や熟成を求める造り手が増えてきている
Olivier Humbrechtに代表される改革派は、Alsaceワインの乳酸発酵をすすんで行なおうとする

しかるにこのDomaineの当主、Félix MeyerはOlivier Humbrechtとも親交が厚い若い造り手の中でありながら、伝統的手法を頑なに守ろうとする
伝統的手法とはつまり、Rognage、短い醸造期間、そして乳酸発酵を行なわないようにすること、である


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  整備されたカーヴ

Katzenthal村の造り手で、13haの畑を所有する

家族経営で、従業員は3人。
収穫は約3週間でその間の収穫人は20人
勿論、すべて手摘みでの収穫。


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ステンレスタンクと大樽を半々の割合で所有する


畑でTressage(枝先をワイヤーにまきつける作業)を行わないで、遅めのRognageを行う
Rognageとはブドウの小枝の成長点を切る作業である
この作業により、酒石酸の増加をストップできる

(第一次)アルコール発酵期間が短く、12月中には終了する(Bourgogneのように短い)
エレヴァージュ期間は短めで、大抵のキュヴェは春(4-5月)に瓶詰めし、特級は収穫前の8月-9月となっている。
つまり、短いエレヴァージュによって、第二次発酵の危険性を避ける
もともと少ない酒石酸の状態で、乳酸発酵を行なってしまうと、ワインがチーズ臭くなってしまうからだ。
力強さよりも、ワイン本来のフレッシュ感を残すことを求めた造りなのである


Dégustation (En Bouteilles)

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Pinot Noir Reserve '09; 赤黒い色調。赤果実、飴、蜂蜜。コッテリ感、豊満なワイン。近くに畑を持つ、Laurent Barthと同じような脂質がある(同じDujacの樽)。80%Bennwihr,20%Katzenthal。手による除梗。

Pinot Noir élevée en piece '09; ジャミー、赤果実、蜂蜜、バター、フレッシュで、バランス良い。うすく、長い

Pinot Blanc '09: 優しい果実味。花。還元っぽさもある。酸味が強く、非常にクリーン。Pinot BlancとAuxerroisのブレンド。

Muscat '09: レモン水、カシスの芽。アロマの大人しさと打って変わって、口の中で強い果実味が弾ける。暑い年にも関わらず、強い酸。Muscat d'AlsaceとOttonelのブレンド。

Riesling Reserve '09: 果実味は少なく、ミネラルが強い。薄い香りの印象と一転して、強い骨格を持った味わい。Riquewihr村の畑。

Riesling Vignoble de Katzenthal '09; 緑色のレモン、St-jOSEPHを喚起させるワイン。凝縮感。とてもフレッシュで、優しい味わい。Wineck-Schlossbergの若いパーセル(城の近くの南向き)が1/3、Florimontの横のパーセルが2/3。

Riesling Pfoeller '08: 色調がやや濃くなっている。ミネラルの強さ。芯がしっかりとして、強く美しいプロポーション。味わいこそ違うものの、Puligny-Motrachet的な輪郭を感じる。コストパフォーマンスの高いワイン。Sommerbergの横の、東向き斜面の畑で、ムッシェルカルク(Muschelkalk)紀の石灰地質。

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  特級Sommerbergの花崗岩地質と特級Florimontのジュラ紀粘土質石灰地質の間に突如として顔を顕せる三畳紀ムッシェルカルク紀の石灰地質。Félix曰く「Clos Saint Huneと同じ地層なんだよ」

Riesling Shoenenbourg '09: 花の香り。ミネラル。この畑の特徴をしっかりと表した軽すぎないアロマ。骨格がしっかりとしている。少し荒さが残るのが残念。2007年よりこの畑を所有。

Riesling Wineck-Schlossberg '09: 鋭角で、重みのあるミネラル。鋼のように強い。強い酸味。やや若い。香りに比例して甘さが強くなる。

Riesling Kaefferkopf '09: スパイシー、レモン・コンフィ。フレッシュで、みなぎるエネルギーを持っている。酸も強いが、最も複雑。(砂岩質粘土質石灰土壌)

Riesling Wineck-Schlossberg '08; ベルガモット、アールグレイ。爽やかな甘さ。常に残る強い酸が、このワインを甘いだけの平坦なものにしていない。Moselに通じる、ミネラルの響き。

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Grand Cru Wineck-Schlossberg。「二種類の雲母を含む花崗岩」の地質。Wineck城近くの畑は樹齢が低い為に下のキュヴェ用にブレンドされる

Pinot Gris Reserve '09: アロマが少ない。とても淡いエクスプレッション。しかし、味わいは深く、厚く、伸びやかである。ほんのりと甘く油脂が強い。リンゴのアフターフレーヴァーで、キノコの香りは見られない。

Pinot Gris Dorfburg '07:果実。よく熟して、リンゴやシードルのようなアロマ。半甘口の仕立て。Florimontの裏の西向き斜面で、Pfoellerの横の畑。石灰質地質。

Pinot Gris Dorfburg '08; 貝殻を連想させる強いミネラル。キノコ、アプリコットの香り。リッチで厚みがありながら、綺麗な酸が全体を支える。

Pinot Gris Hinterberg '09: ミネラル、高貴なキノコ、とても熟している。Sommerbergの反対の山で、Katzenthal村に面した北向き斜面の丘。

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Hinterbergの丘は村を挟んでWineck-Schlossbergの対岸に位置する北向き斜面の丘

Gewurztraminer Dorfburg VV '09: 焼いたライチ、スパイス。甘さを感じるアロマで、よく熟している。フレーヴァーよりも甘さが先行している。

Gewurztraminer Kaefferkopf '08: エピス、それも甘いエピス(スターアニス、シナモン...)。キャラメル。丸みがあって、エレガント、とても、複雑味に富み、偉大な体躯を持っている。優しい甘みがあって、苦味はない。

Gewurztraminer Wineck-Schlossberg '09; バラの香り。甘いバラ、ライチっぽさもあるが、軽やか。強い酸味が、味わいのバランスを保っている。とても綺麗な女性的ワイン。

Gewurztraminer Furstentum '08; 柑橘類、オレンジの皮。甘み、厳しさ、強さ。とても甘いが、やはり、スッキリとした酸味が根底を支える。

Gewurztraminer Sporen '08: カリン、沢庵、果実のコンフィ。甘く、苦い。ややバランス悪い。

Riesling Pfoller VT '07: 整ったミネラル、甘さ、重さ。フレッシュ。

Pinot Gris HInterberg VT '07 :果実味が強く、グラマラス。とても均整のとれた体つきで、全く瑕のない麗しい姿。

Gewurztraminer Wineck-Schlossberg VT '08: バラ、アールグレイ。甘ったるく、糖分が多い。Boxlerに通じる味わい。

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      Wineck-Schlossbergの中のGewurztraminerのパーセル。南向きの急斜面。


Gewurztraminer Dorfburg SGN '05: アプリコット、ビターな香り。とても凝縮した香りで、味わいは非常に強い。糖度、140g。

Gewurztraminer Sporen SGN '07: レモンアイス、角砂糖、バリ島の冷たいエキゾチックフルーツ。複雑で、トロミのある深い深い味わいの主張。甘口になって初めて、写し出される、その麗しさ。糖度、200g。




Meyer-Fonnéのワイン全体の特徴として挙げられるのは、その冷たく澄んだ酸である
酸味の美しさは、ドイツのMoselやNaheを思い起こさせる、とても上品なものである


Rieslingは、典型的なレモンの香りが強すぎず、常にフレッシュな酸が後味を締める。
上品な優しい辛口の酸を求める人の為のワインである
Pinot Grisは比較的、甘さを残したワインであり、爽やかな酸がバランス感を与える。

しかし、この造り手の中でも特筆すべきはやはりGewurztraminerであろう
各テロワールごとに異なったキャラクターを示し、異なったアロマを持っている
本来Rieslingに向く花崗岩地質のGewurztraminer(Wineck-Schlossberg)がとても素晴らしい出来であったことにはとても感動させられた
ただアロマだけが突出するわけでなく、麗しい酸が支えてくれる

TrimbachやHugelが頑なに続けている、伝統的醸造の延長であり、伸びやかな酸味を持ったワインがこの造り手にはある
非常にコストパフォーマンスの高い造り手である、と追記しておく。

  P1120698.jpg

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[ 2011/06/29 06:06 ] VR(Visit Report) | TB(0) | CM(0)

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