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Bourgogne2012年の畑の観察報告

2008年に、Bourgogneに赴いた時から、ある決意が私の中に固まった。
毎年必ず、この地の畑の状態を観察しようと決めたのだ。

ワインという液体は、それぞれの産地におけるミレジム(ヴィンテージ)の特徴をボトルの中に封したものである。
だからこそ、年ごとの葡萄の成熟・衛生状態を知ることは、ワインの味わいを知るために必要不可欠であると感じたのだ。
雑誌や、ワイン本に書かれたヴィンテージ・チャートの意味・もしくは、そこには書ききれなかった事実を、自分の目で見たいと思った。

去年と同じく、Bourgonne の Côte d'Orの畑をつぶさに観察したレポートを届ける。
2012年の9月2日と、3日の二日間をかけて、畑を廻った。


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 Meursault Tessonの畑。丘の上の畑。雹害によって、破裂した実や、ウドンコ病、ベト病に冒された木もちらほら。まだまだ成熟していない。色付きが終わったばかりの房が多い。


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Meursault Premier Cru Perrières の丘の上の畑。イノシシ除けマットが敷いてあった。

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Meursault Premier Cru Charmes、Puligny寄りの畑。恐らく今年最も厳しい雹の害を受けたセクター。この畑は、毎年成長が早いにも関わらず、今年は成熟の遅れが目立つ。

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Montrachet中央部の畑。今年はクロロース(黄疸)の発生も多かったようだ。普段、耐性のある造り手の畑や、なりにくい Pinot Noirの樹からもチラホラ、クロロースが発現していたのは驚いた。

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Montrachet、Domaine Leflaive。Montrachetと言えども、雹の被害は受けている。しかし、雹の被害の割に、傷ついた房が他の畑より少ないような印象をうけるのは、造り手が何か特殊な努力をしているのか、畑自体が神秘的な防壁で守られているのか?

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Montrachet、Chassagne寄りの畑。Côte de Beauneで雹の被害があったのは、Ladoixから、Chassagne-Montrachetの最北部まで。

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Chassagne-Montrachet Premier Cru Clos Saint Jean。今年の Côtes de Beaune地区のPinot Noirは成熟がかなり遅い。これは雹の所為ではなく、陽光の少なさによるものである。もしかしたら生産できないかもしれない、とはある生産者の弁。

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Chassagne-Montrachet Premier Cru Caillerets。毎年思うのだが、Chassagne-Montrachetの衛生状態は常にPuligny-Montrachetよりも綺麗である。有機農法生産者が少ないことがその理由かと思っていたが、それだけではない。5年間の観測からの推測にすぎないが、雹害に遭いにくいというクリマが作用しているのだと思う。

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Santenay Premier Cru Gravières, Domaine Lucien Muzard。畑を全面改植。二年前の大雹害が理由なのだろうか。それにしても、最高の自社畑の一つを、部分的ではなくすべて植え替える決断をするというのは凄い。

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Santenay Premier Cru Clos Grand Rousseau。今年のSantenayは雹害こそ少ないものの、成長が遅い。葡萄は非常に酸味が高い。

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Bouzeron。去年よりも遥かに綺麗な衛生状態。Aligotéにとって良いミレジムと言えるのかも知れない。

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この畑、Rully Premier Cru Grésignyに来れたことは非常に嬉しかった。昨年の雹害がこのセクターを滅茶苦茶にしたのを目の当たりにしていたから、そんな被害を受けた次の年も葡萄がスクスクと無事に育ったことを確認できた。はっきり言うと、今年のChalonnaiseはBeauneよりも良いコンディションである。

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日付と場所は変わる。今度はGevrey-Chambertinから南下。この畑はPremier Cru Clos Saint Jacques。成熟の遅れがあるが、Beauneほどではない。この村も少し雹害を受けたそうだ。

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Morey Saint Denis Premier Cru MontluisantのChardonnay。この畑の去年の成熟状態は素晴らしかったが、今年は少し遅れているようだ。

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Clos des Lambraysの房。色付きしていない粒と、乾燥(濃縮)した粒の混じる不思議な光景。Morey-Saint-Denisの成熟度はほかよりも早いようだ。

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Musigny Grand Cru。まだ葡萄は健康であるが、最後の最後で衛生状態がどうなるかはなんとも言えない。

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Clos Vougeot、Domaine Laurent。毎年のことながら、良好な成長をとげている。

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Clos Parantoux。この畑の葡萄の味わいが好きだ。いつも、何か他の畑とは違う深く甘い果実味を感じるからだ。

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Romanée Saint Vivant, Domaine Leroy。美しい酸味、エレガンス。平年どおりの低収量。今年最も天候に恵まれたのは、おそらく、ここ、Vosne-Romanéeである。

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R.C.

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R.C.

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毎年ながら、この畑の葡萄の成熟度の早さには驚かされる。La Tâche。

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Nuits-Saint-Georges。村のすぐ北部の畑。春先の天候の崩れが、今の葡萄の状態に見て取れる。収穫量は、今年も低い。

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DRCの新しい畑、Corton。まだVosne-Romanée村のそれらよりも、上手く成長が捗っていない様子。雹害は普通。



以上、観察の結果を挙げてみた。

春、夏の天候の崩れ、度重なる雹害が、Bourgogne中を苦しめていることがよく理解できた。
まだ成熟が遅れているために、収穫直前にどれだけ病気や腐敗が発生するか、まだ予測が立たない。
収穫量は、先年よりもさらに低くなるであろうし、収穫も大変であることは間違いないだろう。

今年の収穫は9月の第三週ぐらいから始まると聞く。
生産者の健闘を心から祈りたい。

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[ 2012/09/16 23:05 ] ミレジム | TB(0) | CM(0)



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