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Alsaceのテロワール;11の地区と、51の特級畑

Alsaceの地勢はとても複雑である
さまざまなタイプの地質が一同に介する

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マグマが地表で固まった火山岩(roche volcanique)、マグマが地中で固まった花崗岩(granite)、砂が温水によって凝固した砂岩(grès)、動物の化石が集まった石灰(calcaire)...
同じ花崗岩でも、ミネラル分の違いによって、片麻岩(gneiss)と呼ばれたり、ピンク色や白色の区分があったり
石灰も、堆積した化石の年代(muschelkalk,bajocien,bathonien)が異なれば性質も変わるし、粘土との割合によって粘土質石灰、泥灰岩と、種類も変わる
さらに、岩石もそのままの状態を保っているわけではなく、粉々になったり、砂状になったりと絶えず変化する
変化した岩石は、海水に流されたりして、再結晶して礫岩(Conglomérat)になったもする

このような変化に富んだAlsaceの地質を一つ一つ個々に見て行く事は大変な時間がかかる
しかし、これらの地質を区分けしてみることはできるかもしれない

ここでは便宜上、11のゾーンに区切ってみた
かなり熟慮した上、決めた区切りではあるが、これらのゾーンは必ずしも一定ではない
まだまだ改良の余地はあるかもしれないが、とりあえずはこの11の区画を元にAlsaceの地質の秘密を解き明かして行きたいと思う

注;Zone8やZone10は飛び地状になっているが、地質のタイプを考慮して、南北の順とは異なったゾーン設定にした



Zone1; Wissembourg
Zone2; Marlenheim - Obernai 三畳紀の粘土質石灰・泥灰土
Zone3; Barr ジュラ紀の粘土質石灰
Zone4; Andlau - Villé 粘板岩と砂岩
Zone5; Nothalten - Roderne 花崗岩地質
Zone6; Bergheim - Riquewihr 三畳紀とジュラ紀の粘土質石灰
Zone7; Zellenberg - Ingersheim 漸新世の石灰と礫岩
Zone8: Kaysersbeg - Wihr-au-Val 花崗岩地質
Zone9; Wintzenheim - Wuenheim 三畳紀の砂岩と、ジュラ紀の粘質石灰と、漸新世の石灰、礫岩
Zone10; Guebwiller - 砂岩
Zone11; Thann 火山岩





Zone1; Wissembourg   漸新世の石灰質礫岩

主要な村;Wissembourg,Cleeberg
主要な造り手;

中世に栄えた、ドイツ、Pfalz地区国境沿いの区画。石灰の層が広がる。しかし残念ながら特級畑は存在しない。





Zone2; Marlenheim - Obernai 三畳紀の粘土質石灰・泥灰土

主要な村;Marlenheim,Dahlenheim,Scharrachbergheim,Traenheim,Bergbieten,Wolxheim,Molsheim,Mutzig,Ottrott,Obernai
主要な造り手;Domaine Loew,Frédéric Mochel,Clément Lissner,Gérard Neumeyer

 三畳紀(Trias)の石灰地質は、ワインの味わいにとても重要な影響を与える。Rieslingに伸びやかなミネラル分を与え、Gewurztraminerの繊細さを引き出す。Frédéric MochelのRieslingの伸びやかさ、Gérard Neumeyerの素晴らしいGewurztraminerがその好例である。Wolxheim村にのみ見いだせる赤い土、Altenbergはジュラ紀の石灰。過去に赤ワインで名声を博したというだけあって、Pinot Noirの良好なものがあるかもしれない。

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Altenberg de Wolxheimのジュラ紀の石灰。  Brudelthalのムッシェルカルク紀の石灰。




特級;

1, Steinklotz。Marlenheim村に位置し、Alsaceで最も北に位置する特級畑。三畳紀の石灰の切り立った崖。砂岩もちらほら見いだせるそうだ。589年にメロヴィング王がここの畑を所有していたという記録のある、Alsaceでも最も古い畑。赤ワインの産地として有名だったそうだが...

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2, Engelberg。Dahlenheim村とScharrachbergheim村の特級畑。三畳紀の泥灰土と石灰。14.8haの南向き斜面のとても綺麗な丘。「天使の山」の名に相応しい。884年から、畑の歴史が残っているそうだが、非常に納得。こういう外部から見て、偉容な印象を受ける畑は、大抵昔から名の通った畑であることが多い。

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3, Altenberg de Bergbieten。Bergbieten村北側の小山。三畳紀後期の泥灰岩が多く、比較的粘土質の土壌。三つあるAltenbergの中でも、すぐ横のAltenbergとは性質が異なることが面白い。29haのなだらかな斜面。

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4, Altenberg de Wolxheim。Wolxheim村の特級。周りの三畳紀の石灰地帯とは異なり、突然顕われるジュラ紀の泥灰土と石灰地質。赤茶けた土の色は、どうしてもCortonを思い出されてならない...。ちなみに、この特級畑の周囲には三畳紀の砂岩と、泥灰土、石灰の地層があり、この村だけで、1億年以上の地質の歴史が詰まっている...

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5, Bruderthal。「兄弟の山」を意味する中都市、Molsheimの特級畑。三畳紀のドロマイト石灰を含む、泥灰岩質石灰岩地質。C�teaux派修道僧が切り開き、この名をつける。1316年に初めて記録が残っている。なだらかな丘で、すこしBourgogneに似ている気がする。だから「兄弟」と名付けたのだろうか??

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Zone3; Barr ジュラ紀の粘土質石灰

主要な村;Heiligenstein,Barr,Mittelbergheim
主要な造り手;Domaine André Rieffel,Reich,Stoeffler

 最もBourgogneに近い土壌がこのエリアである。その為か、非常にピュアでエレガントなスタイルのPinot Noirを度々発見できる。Domaine André Rieffel,Reich,Stoefflerなどが良い品質のものを造っている。さらに様々な品種を発見できる地でもあり、Zotzenbergの特級、SylvanerやKlevner de Heiligenstein(品種名)など、この地でしか見いだせない。

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           Kirchberg de Barrの粘土質石灰。Mittelbergheimの泥灰岩。


6, 特級、Kirchberg de Barr。ジュラ紀の泥灰土質石灰。40haのとても綺麗な赤茶けた土が目を楽しませる。Bourgogneに最も近い地質。Pinot Noirが上手くいきそうな土なんだが...。

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7, Zotzenberg。2005年の特級法改正で、唯一Sylvanerの植樹が認められたGrand Cru。過去において、8割がSylvanerだったという記録があるそうだ。こういう品種にあった植樹法は、利に適っていてとても好きだ。ジュラ紀の泥灰土質石灰と漸新世の泥灰岩。

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Zone4; Andlau - Villé 粘板岩

主要な村;Andlau,Eichoffen,Itterswiller,Villé,Bernardvillé,Epfig
主要な造り手;Domaine Marc Kreydenweiss,Remy Gresser,Guy Wach,Julien Meyer,André Ostertag,Schieferkopf

 Alsaceで唯一の土壌、粘板岩(シスト)を有するエリア。二種類の粘板岩があり、色調の濃いグレーのSchiste de Steigeと青いSchiste de Villéの二つが存在する。なお、Andlau村には、花崗岩(白)と砂岩がそれぞれ露出している部分が存在する。いずれにせよ、この地区における品種はほとんどがRieslingであり、 それははるか昔から知られていたことであった。なお明らかに地質は異なるが、Nothalten村も便宜上このエリアに含めた。

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        KasterbergのSteigeのシスト(灰色)。 Wiebelsbergのくだけて砂状になった砂岩。

8,特級、Kastelberg。「城山」を意味する(Schlossbergと同意)。Alsaceで唯一特級となるSchste(de steige)地質で、Rieslingにフレッシュかつ、熟成能力の高い辛口ワインになりうる場所。

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9,Wiebelsberg。「女性の山」を意味するが、その女性的なきめ細やかなワインの性質はこの名を呼ぶに相応しい。砂岩地質とそれが風化した砂質の土壌で、排水性に富む。Andlau村の他の畑の土壌は、多かれ少なかれ、この砂岩の山から風化した砂の個性がでているように思える。

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10, Moenchberg。Andlau村とEichhofen村の間の特級で、「修道僧の山」を意味する。泥土と粘土の浅い丘。漸新世の石ころが混じり、地中深くには石灰の層があるという中世から名声を誇っていた。

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Zone5; Nothalten - Roderne 花崗岩地質


主要な村;Nothalten,Blienschwiller,Dambach-la-ville,Dieffenthal,Scherwiller,Kintzheim,Orschwiller,St-Hyppolyte,Roderne
主要な造り手;

 風化した花崗岩は、やがてピンク色の砂状の大地を形成する。Cru Beaujolaisと同じ、太古の花崗岩の砕けた山々が、このエリアに点在する。

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             Muenchbergの火山灰の堆積土。
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         Franksteinのピンク花崗岩。    Gloeckelbergの花崗岩


11, Muenchberg。Nothalten村の特級。三日月型の南斜面。この特級畑は、火山灰が降り積もってできた特殊土壌。

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12, Winzenberg。Blienschwiller村の古くから知名度の高い畑。ピンク花崗岩で出来た砂利。Alsaceの特級は、南斜面であることが最も重要なようだ。Bourgogne的な東斜面では、葡萄が上手く完熟しないからだろう。

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13, Frankstein。Dambach-la-ville村の中で56haもの急斜面。語意は「露出した石」? すべての南向き斜面のみが特級扱いとなっている。土壌は花崗岩で、砕けた岩が砂利状になっている。JuliénasとかChénasを彷彿とさせる。

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14, Praelatenberg。『僧院の山』を意味するKinzheim村の特級畑。昔、僧院があったそうだ。Gneiss(片麻岩)を地石に、浅い石英や鉄分混じりの土壌が覆う。南東斜面のけっこう急な丘。Pinot GrisやGewurztraminer向きの土壌とのこと。

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15, Gloeckelberg。Roderne村とSt-Hyppolyte村。Gloeckelは「アーチ状」という意味で、山の形から取られた。Granite(花崗岩)地質だが、それを覆う砂がとても多くて、上までいかないと見つからない。BeaujolaisともSt-Josephとも異なる質のGranite。中世は赤ワインの地として名を馳せた。

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Zone6; Bergheim - Riquewihr 三畳紀とジュラ紀の粘土質石灰

主要な村;Rorschwihr,Bergheim,Riveauvillé,Hunawihr,Riquewihr
主要な造り手;Rolly-Gassmann,Marcel Deiss,Kientzler,Trimbach,Louis Sipp,Sipp-Mack,Hugel,Agapé,Dopf et Irion

 Alsaceでも最も知名度が高く、歴史のある、葡萄畑がこのエリアである。三畳紀とジュラ紀の石灰地層が、複雑に絡み合う。

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     Altenberg de Bergheimのジュラ紀の粘土質石灰。 Kanzlerbergのコイパー紀の泥灰岩。
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       Osterbergのムッシェルカルク紀の石灰。  Schonenbourgの石膏状の泥灰質石灰岩。

16,Altenberg de Bergheim。Bergheim村。赤茶けた中規模の小山。ジュラ紀の石灰と泥灰岩のある数少ない場所。Altenbergの名は、「古山」を意味するが、大抵赤い色調のある場所であることが興味深い。ドイツのAltenbergが赤い粘板岩土壌であると聞いて、驚かされた。

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17,Kanzlerberg。BergheimのAltenbergのすぐ横にある特級で、同じ石灰岩と泥灰岩であるが、地質年代が違う。ジュラ紀の前のコイパー紀。畑の色も、青みがかった灰色。従って、ワインのキャラクターも異なり、Rieslingに向く地質なのだろう。

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18,Geisberg。Riveauvillé村の特級畑。この村を代表する造り手、Domaine Trimbachのすぐ裏手の畑で、Cuv�e Frédéric Emileはこの畑と横のOsterbergのブレンドによって生まれる...。三畳紀の石灰と泥灰岩。

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19,Kirchberg de Riveauvillé。, Ribeauvillé村のGeisbergの横の畑。Geisbergと同じような三畳紀の石灰と泥灰岩であり同じ斜面ながら、畑が区別されているのは何か、畑の個性の違いがあるのだろうか? ほとんど未試飲の為、不明。Pinot Noirに向くと聞いたことがある。

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20,Osterberg。,Ribeauvillé村の特級。「東向きの丘」を意味するが、実際は東南東向きである。Muschelkalk紀の泥灰土、ドロマイト石灰を有するなだらかな丘。24.6ha。素晴らしいGewuretraminerを生む。

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21, Rosacker。Hunawihr村のにある26haの特級畑。粘土質石灰。例えGrand Cruとエティケットに書かれていなくても、Domaine TrimbachのClos Saint Huneはここで生まれる。Rieslingに永遠に続くかのような長寿を約束する地。

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22, Schoenenbourg。Riquewihrの特級。マール、石灰、ウーライト石灰、そしてVosgeの砂岩という複雑な地質。さらに急斜面。HugelのJubileeが白眉。

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23, Sporen。Riquewihrのもうひとつの特級。どこにあるのか、本当に分かりにくい畑。ほとんど東向きの緩やかな粘土質泥灰土の斜面(ほとんど平地)。非常に湿気が多そう。Rieslingに不向きなことは有名。Hugelのワインがスペシャリテだが...(昔は混植していたらしい)。

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Zone7; Zellenberg - Ingersheim ジュラ紀の泥灰質石灰と、漸新世の石灰と礫岩

主要な村;Zellenberg,Beblenheim,Mittelwihr,Benwihr,Sigolsheim,Kientzheim,Ingersheim
主要な造り手;Domaine Marc Tempé,Bott-Geyle,Laurent Barth,Paul Blanck

漸新世の地層は、Alsaceの至る所に存在する。三畳紀やジュラ紀の後に大陸を覆った深い海は、多くの岩石を削り、流し、新たなる地層を形造った。石灰の礫岩が多いのが特徴。

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    Furstentumの赤い粘土質石灰。  Florimontの畑に露出しているジュラ紀の泥灰岩。


24,Froehn。Zellenbergは陸の孤島とも呼べるような変わった村だが。その村の周りの丘がこの特級畑である。ジュラ前期リアス紀の粘土質泥灰岩地質。Gewurztraminerに向くらしい。

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25, Sonnenglanz。Beblenheimの特級。「太陽の丘」を意味する、東向き斜面。

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26, Mandelberg。「アーモンドの丘」を意味する。22haの、MittelwihrとBeblenheimの畑。マールと石灰の地質。なだらかな斜面。ここは、Alsaceの畑の正に中心地。すごく綺麗だった。

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27, Marckrain。このBennwihr村の特級はあまり有名ではない。しかし、一目見て、Bourgogneとの類似性を感じてしまった。マールと石灰。

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28, Mambourg。Sigolsheim村。強烈な斜面。61haのマールと石灰が同化した地質。勿論、ここで有名な品種は、重く、保水性の高い地を好む、Gewurztraminer。しかし「Jean-Michel DeissはここにPinot系品種を多く植える」のだそう。

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29, Furstentum。KientheimとSigolsheim村のAltenbourgという畑の上部の、山頂付近にある特級畑。赤茶けた土に、マール、石灰、砂岩が混じる。Gewurztraminerに秀でる地質。それにしてもSchlossbergとは一本道を隔てただけで、何億年という地質形成の歴史をまたぐことができるのだ...

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30, Florimont。Ingersheim村とKatzenthal村の間にある21haの畑。なだらかな南東斜面。Bourgogneを想起させるジュラ紀の石灰質の上に、漸新世の泥灰岩と礫岩が混じる。Gewurztraminerに良い土壌であり、そして勿論、Pinot Noirにも適している...。

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Zone8: Kaysersbeg - Wihr-au-Val 花崗岩地質

主要な村;Kaysersberg,Ammerschwihr,Katzenthal,Niedermorschwihr,Turckheim
主要な造り手;Domaine Weinbach,Audrey et Christian Binner,Meyer-Fonné,Bernhard,Albert Boxler,Zind-Humbrecht

この地区には二種類の花崗岩が存在する。Kaysersbergの白い長石の多い花崗岩(白)とAmmerschwihrから南、Munsterの盆地まで続く、二つの雲母を含む花崗岩(紫)。

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                 Schlossbergの花崗岩

31, Schlossberg。Kaysersberg村(行政区分ではKientzheim村の畑)。風化した花崗岩の土壌。「強い日差しによって、割れやすくなった」この畑の花崗岩は、St-Josephのそれとは全く違う。Weinbachの造るRieslingは、この畑の、最も美しくエレガントな、素顔を我々に開陳してくれる。

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32, Kaefferkopf。Ammerschwihr村。2005年の特級法改正によって誕生した第51番目の特級畑。もともと、有名な畑であったにも関わらず、特級申請を故意に行わなかったために近年まで特級扱いされなかった。花崗岩、石灰、砂岩の入り交じった複雑なテロワール。二つの丘があり、北の丘は上部が花崗岩、下部が泥灰質石灰。南の丘は、上部は花崗岩、下部は砂岩となっている。なお、2007年より他の品種を混植することが認められている。

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33, Wineck-Schlossberg。Katzenthal村の渓谷。かなり強い斜面の、花崗岩と雲母の土壌。お隣のSchlossbergが風化した花崗岩が多いのに対し、こちらは少し硬い。なかなか割れない。しかし、葡萄の熟度は半端なく、よりコンフィっぽいワインになる。素晴らしい景観だった。

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34, Sommerberg。NiedermorschwihrとKatzenthalの特級。「太陽の山」という、超鋭角の斜面を明確にイメージさせる名称である。これだけ急な斜面は未だかつて見た事がないと思えるほどの崖に樹が植わっている。花崗岩地質で、特級Brandと同じ、「二種類の雲母を含む花崗岩」。

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35, Brand。Turckheimの背後に聳える、約60haの急斜面。二種類の雲母を含む花崗岩地質。実際には砂岩とか石灰も混じってそうな感じがしたが、ワインの味わいはまさに花崗岩地質。しかしSchlossbergとは異なった個性。

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WettolsheimとEguisheimの裏にあるこの畑が、花崗岩の最後の境界線。ここから南は、砂岩中心の葡萄畑が広がる。
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Zone9; Wintzenheim - Wuenheim 三畳紀の砂岩と、ジュラ紀の粘質石灰と、漸新世の石灰、礫岩

主要な村;,Wintzenheim,Wettolsheim,Eguisheim,Hussern-les-Château,Voegtlinshoffen,Hattstat,Obermorschwihr,Gueberschwihr,Pfaffenheim,Rouffach,Westhalten,Soultzmatt,Orschwihr,Bergholtz,Guebwiller,Wuenheim
主要な造り手;Josmeyer,Albert Mann,Jean-Louis et Fabienne Mann,Paul Ginglinger,Gérard Schuller,Ernest Burn,René Muré,Agathe Bursin,Léon Boesch,Seppi Landemann,Kubler,Valentin-Zusslin,

 砂岩は、海水に溜まった砂浜が、温水作用によって固まった特殊な岩石である。風化することで、砂状に戻り、ワインに柔らかさとミネラルを与える。このZone9は基本的にZone7と重なる部分が多く、もう少し区分わけができるかもしれない。

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Hengstの赤い砂岩まじりの粘土質石灰(ムッシェルカルク紀)。 Pfersigbergの黄土混じりの泥灰質石灰。

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     Eichbergの泥灰質石灰。            Hatschbourgの砂岩の中の砂岩。

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       Vorbourgの石灰。              Zinkoeppfléのムッシェルカルク紀の石灰。

36, Hengst。Wintzenheim村。「種馬」転じて「台木」を意味する、76haの特級畑。三畳紀の砂岩と石灰に、漸新世の泥灰岩と礫岩。真っ赤な土壌で、偉大なる赤ワインのテロワールを見いだせる。同じような赤い土でも、AltenbergやFurstentumとは違う時代の石灰が、異なった個性をワインに与える。RheinhessenのNierstein村と同じ土壌と考えられる。JosmeyerのGewurztraminerやAlbert Mann,Pinot Noir Grand"H"はここで生まれる...。

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37, Steingrubler。Wettolsheimの特級。漸新世の泥灰岩質石灰と砂質粘土が混じった土。花崗岩も見いだせるという。軽やかな土壌の性質からRieslingにもGewurztraminerにも向く場所が見いだされる。

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38, Pfersigberg。礫岩とは、古代の岩石が、海流に押し流され、転がり続け、角がとれて丸まった石ころだが、この特級畑には本当に色々な種類の礫岩が見いだされる。億年単位の石ころの歴史が混じった、複雑なWettolsheim村とEguisheim村の特級畑。

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39, Eichberg。Eguisheimのもう一つの特級畑。漸新世の礫岩が多いのは、先のPfersigbergに似るが、やや泥灰土との比率が多いようだ。さらに、丘の南側からは、砂岩が多く見られるようになる。11世紀にこの畑の葡萄がよく税で収められていたという記録が残っている。

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40, Hatschbourg。VoegtlinshoffenからHattstattにかけて広がる南東向き斜面。泥灰質石灰岩で、砂岩も多い。Alsaceに多い三畳紀の砂岩とは趣向が異なり、一つ時代の新しい砂岩のようだ。というのが、砂岩の中に古い砂岩が混じっているからである。

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41, Goldert。Gueberschwihr村の特級。1728年において、「黄金色」と冠されたワインは、「品質の高さから、限られた市場でしか商われなかった」という。ジュラ紀のユーライト石灰で、真っ白な土壌。

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42, Steinert。PfaffenheimとWesthaltenの特級。名前から連想される通り、畑には石灰の石ころがとても多い。ジュラ紀の石灰質土壌である。39haの東向き斜面。

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43, Vorbourg。Rouffach市の東部、Westhalten村の西に立つ丘。マール・石灰に黄土が混じった土壌。東向きと南向き斜面。ドイツのBreisgauに通じる土壌。だからこそ、René Muréによると、地下にジュラ中期バジョシアン紀の地層があるという。

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44, Zinnkoepflé。Soultzmatt村とWesthalten村の間。71haにも及ぶ、南向きの急斜面。粘土質と三畳紀の砂岩質石灰岩で、重い土壌。強靭で、激しい個性を持ったワイン。Gewurztraminerに向くと言う。

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45, Pfingstberg。「精霊降誕祭の山」を意味するOrschwihr村の特級畑。粘土質砂岩地質。なかなか急な東南向きの勾配。28.15ha。中世から著名な歴史のある畑。

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46, Spiegel。BergholtzとGuebwillerの特級畑。なだらかな東向き斜面。18ha。砂岩と泥灰土の混じった、赤紫の土。かなり、礫岩の石ころ(石灰、石英、砂岩etc)が多かった。

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47, Saering。他の三つのGuebwillerの特級と少し離れた場所にある小山の特級畑。他と違い、多くの石灰岩を含む。他の特級が赤紫色の土ならば、ここは白と灰色の入り交じった土。Rieslingの果実を増幅させる。同じ様な土壌のMoenchbergで出来るワインに類似する。

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48, Ollwiller。Wuenheim村。泥灰土と砂質粘土の混じった、比較的若い漸新世の地層。35haの、なだらかな丘。

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Zone10; Guebwiller - 砂岩

主要な村;Guebwiller
主要な造り手;Schlumberger

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             Kesslerの砂岩。

49, Kessler。Guebwiller市。ピュアなVosge山脈の砂岩。三畳紀中期ブントサンドシュタイン紀の地質。見るものを圧倒させる、独特の赤紫の土は、砂岩が風化して出来たものだろう。Domaine SchlumbergerのRieslingとPinot Grisは驚く程、繊細だ。

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50, Kitterlé。Guebwiller市。Domaine Schlumbergerがほぼ単独所有する、超急斜面の丘。上部は砂岩だが、下部は、Rangenと同じ、Carbonifere紀の火山岩・Grauwackesが地盤を支える。熟度が高い、強いワインを生む。25ha。

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Zone11; Thann 火山岩

主要な村;Thann,Vieux-Thann
主要な造り手;なし(この村には造り手がいない)

 Franceでも唯一の火山岩がある場所。白ワインに神秘的なスパイス感を与える特殊な土壌。Zind-HumbrechtとSchoffitの素晴らしいワインが生まれる土壌である。

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               Rangenの火山岩。

51,Rangen。ThannとVieux-Thannの二つの村にまたがる。Alsace最南端の特級畑。Côte-Rôtieよりも、ChampagneのClos des Goissesよりも、急な、火山岩の畑。

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[ 2011/05/23 09:38 ] テロワール | TB(0) | CM(0)



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